PART XVI   お寺で聴くならラッパかな

    −2007冬のお寺大会:1インチスピーカの競作

  前章から一気に2007冬のお寺大会に飛んでしまいますが、今回のお題目は松下の1インチスピーカユニット、EAS-3P133B6を使ったスピーカの競作でした。まず初心者の私でもわかることは低音がなかなか出ないであろうということです。低音を出す=バックロードホーンと短絡的に考えましたが、ホーンロードを何度か折り曲げなければならないので結構作るのが大変です。そこでかねてから作ってみたかったTQWT通称Voigt-Pipeを作ることにしました。これならば板取りも数が少なく製作も簡単かと考えたからです。単純に考えると片チャンネル5個の板材でできることになります。 voigt01.jpg
  右が板取図です。ローコストが常なので、いわゆるコンパネ系の合板を買いました。厚みt=12mmで1300円ぐらいです。底板は残念ながらまかなえないので端材(300円)を買って作りました。ここで結構たいへんだったのが、斜めに切った側板です。側板は板取図では単なる三角形に見えますが、上底25mm、下底175mm、高さ1800mmの台形です。ホームセンタのパネルソーではカットが難しいようで左右の2枚が寸法通りにそろいません。そこで片チャンネル分2枚を重ねて、その最大公約数?をとりました。組み立てはかなりアバウトなやり方です。接合には木工ボンドと25mmの釘を使いました。板が反っているためなかなかぴったりには組み立てられませんでしたが、約4時間ぐらいでそれらしい形になりました。 voigt03.jpg
  吸音材にはバックロードホーン(D100)製作時の残りと、台所のレンジ用フィルタ(500円)を使用しました。今回の箱はお寺用だけではもったいないのでお寺後はリビング用にするためスピーカ取り付けはサブバッフル板ですることにしました。 voigt04.jpg
  で、これが塗装前の姿。遠くから見るとなかなか良いと自己満足。 voigt05.jpg
  塗装は目止め処理なしで普通の水性のペンキおよびニスです。スプレーの方が簡単そうですが、近所迷惑なのではけ塗りです。かなり表面がざらざらしているがこれでOK。 voigt06.jpg
  さて、1インチスピーカをこの箱にただ取り付けるだけでは面白くないし、100畳もある部屋では力不足だろうということで、思いつきと「ウケ」狙いで100円ショップで見つけたメガホンをつけて見ました。ホーンスピーカです。ところがこのままではやはり宣伝カーのような音になるので、もう少し本物らしくなるように考えました。いろいろとネットで調べるうちにホーンの形状にはexponential curveやtractrix curveがあるようです。tractrixの方がホーンの長さが短くなるのでなるべくこれに近似できるように考えました。カットオフ周波数300HZでネット上の計算ツールで計算させると右のような曲線となり、メガホン部に追加開口部を設けて2つの直線で近似することにしました。 voigt07.jpg
  メガホン部は途中で無理やり正方形の開口に変形し、ダンボールで作った追加開口部と結合しています。お寺大会にはこれで臨みました。それなりのインパクトはあったと思います。 voigt08.jpg
  リビング用にはダイトーの10cmフルレンジAR-10M(1780円)を使うことにしました。全体が黒づくめというのも面白くないのでアクセントとして、サブバッフル板は赤にしてみました。背丈ほどあるスピーカは部屋にはなかなかマッチしていると思います。音はやはりこちらの方が低音がしっかりしていて好きです。 voigt09.jpg



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