PART XXX   ZEN Variation 7R revisited

 −15年後の変身・・・

  2006年、Nelson Passさんのウェブサイト、”Pass DIY”に出会いそのシンプルさに感激し、MOSFET2個の"Son of ZEN"から始まって"ZEN variation 7R (ZV7R)""Bride of Son of ZEN" "First Watt F1" "F5" "B1" などを製作してきました。その中で"ZV7R"は別電源構造で非常に巨大なアンプになりました。背中には40Wのセメント抵抗を36個背負い、片チャンネル20Wの出力に375Wの電力をつぎ込むという暖房機でした。作ってみたもののどうにもかさばるので最初の何年かは使い続けていましたがとうとう分解してしまいました。




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  2020年、コロナ騒ぎで外出もままならないので「なんか大作を作るか・・・」と思って目に入ったのが分解したZV7Rの部品でした。出力は多少落ちても良いから最低でも一つの筐体に収まるように作りたい。できればユニークなものを。そこで頭に浮かんだのが石油ファンヒータでした。「音の出る暖房機」にはうってつけです。ちょうどジャンクのファンヒータが手に入ったので中を分解しました。




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  外部筐体とコントロールパネルを残してあとは全て取り外しました。製作の基本方針は
@ 電源は48V600wスイッチング電源を2個使用する
A 電源スイッチはコントロールパネルの「運転」を流用する。
B ボリュームは「温度設定+−」を流用する。温度表示はボリュームの大小を表す。
C 排熱をファンを使って積極的に行い、暖房機能も考える。
です。
筐体の底板にM10の寸切ボルトを4本柱として電源部の2階と増幅部の1階に分けました。




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  増幅部と定電流回路のMOSFETは前回使用のFS22SMからオリジナルのIRFP240に変更しました。また40Wセメント抵抗の代わりに以前ジャンク屋で1個100円で買ってあった50Wのメタルクラッド抵抗を16個使っています。




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  電源に使用したスイッチング電源は50oのファンを使っており、このままではうるさいのでPC用の超静音ファンに交換してあります。ところが風量が少なくなってしまったのでこのまま48Vで使用すると途中でオーバーヒートに引っ掛かり停止してしまいます。そこでまず電源の外部筐体をできるだけ取り除き放熱を良くしました。また電源の上から120oの超静音ファンでむき出しになった電源内部を冷却しています。さらに電源電圧を40Vまで下げて使用しています。120oの超静音ファンは方針Cを実現するため2個を筐体背面に配置しファンヒータと同じように温風が前面から排出されるようにしています。運転後定常状態で約56℃で温風が出ます。




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  製作方針Aの電源スイッチは「スイッチサイエンス」の「小型プッシュ電源スイッチ」を使いました。自分で回路を組むよりも手軽にしかも小型に作れます。ファンヒータのコントロールパネル上の「運転」ボタンに対応するタクトスイッチに接続しています。製作方針Bのボリュームですが、温度表示部分は秋月の「7セグメントLED」を2つ使用しています。LEDの駆動には「Arduino NANO every」を使用しています。「温度」プッシュボタンによる電子ボリュームは「LM1972」を2個バランス型として使用予定でしたがWeb上の作例を参考にしてもどうしてもうまくいきません。現在代替案として「MAX5456」を使用した方法を検討中です。
(続く!)




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