PART XXXI   6080 Mini Watter

 −あり合わせを使って・・・

  以前も書いたように6080は自作オーディオを始めた中学時代から気になる球でしたが、6080を用いて初めてアンプを作成したのは自作オーディオを再開してから4年後の2004年でした。いきなり全段作動PPに挑戦し、その後村嶋さんの低電圧駆動PP、池田さんの低電圧駆動OTLを作ってきました。今回6080で Mini Watterを製作しようと思ったのはぺるけ師匠の71A Mini Watterの記事を読んだことからでした。記事によれば初段は無理すれば±60Vぐらいまでスイングできそうです。前段はほぼそのままで、71Aを6080に置き換えていろいろとロードラインをいじってみました。ロードラインを引くにあたっての前提条件は手持ちの出力トランス(東栄 T-1200)及び電源トランス(豊澄SD21-100A)の仕様を優先するので以下のようにしました。
@負荷抵抗は3KΩとする。
Aプレート電圧に直接かかわる電源はSD21-100Aを1次−2次を逆さまに使用して整流後得られる電圧として290Vとする。
初段と直結のため、電圧の積み重ねをぺるけ師匠の図を参考におおよそこんな感じかなと作ったのが次の図です。全てを足し合わせて273.5Vになりました。

calc_V.jpg



  この値を参考に最初に引いたロードラインが次の図の黒線です。電源電圧が予想していたほど取れなかったので最終的に収まったのは赤線の方です。出力は1.2Wぐらい取れそうです。回路図はぺるけ師匠の71Aの回路図において出力段を6080に置き換え、さらにカソード抵抗を1.2KΩ10Wx2に置き換えた感じです。ただしフィードバック回路はまだ検討中で接続していません。

Ip-Vp_02.jpg



  シャーシも以前使用した物の再利用なので不要な穴だらけです。少し見栄えを良くするために上面はこれまた不要なアルミプレートをかぶせ、側面は木材で目隠ししています。側面のヒートシンクはカソード抵抗の発熱(片ch6.5W)をできるだけ外部に放熱するように設けました。トランスカバーも以前使用したステンレス製のお米の計量カップとアルミ製の植木鉢カバーでいずれも100円ショップで購入したものです。

front_view.jpg



trans.jpg



  内部の写真です。電源回路と増幅回路で2枚のユニバーサル基板を使って製作しました。電源回路用の基板に余裕を持たせたのでちょっと大きくなりすぎました。左上のトランスはヒータ用で東栄製のJ-633です。2SK30Aのソース側の500ΩVRを調整して初段出力部の電圧が69.5V、出力段カソード抵抗部電圧が125Vとなりました。今のところ調子良く鳴っています。

inside.jpg




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