PART Vbで紹介したように、Kha-Tar5号の特性はお粗末なものでした。今回は出力だけでももう少し稼ぎたいという欲求から、プレート電圧を320Vから450Vにアップし、また今後改造しやすいように全体を改装しました。出力段のロードラインは大体下図のあたりを狙いとしました。
(1) 電源部
320Vから450Vに電圧アップのため、まず、トランスの結線を0−220Vの並列接続から、0−170−0−200の直列接続に変更しました。次にフィルタ用電解コンデンサを耐圧をかせぐため、すべて2個の直列接続とし、ブリーダ抵抗を設けました。また、電源OFF時のコンデンサの放電回路もリレー切り替えでできるようにしてあります。ヒータ電源とB電源は別々に起動するようにスイッチを別けてあります。回路図は次のとおりです。電流計と電圧計の回路は省略しています。
(2) 増幅部
変更箇所は @初段のプレート電圧を調整するための抵抗値 A耐圧をかせぐためデカップリング用コンデンサを2個直列にする B出力トランスはPART VIで紹介した、着脱可能トランスを使っているため、T850の7k3個並列接続とする それ以外は前回と基本的に変わっていません。回路図は次のとおりです。
(1) 電源部
シャーシは前回のものでも良かったのですが、もう少し頑丈で格好の良いジャンク電源のシャーシが手に入ったのでそれを使いました。電圧、電流のメータはスケールを変更してそのまま使っています。211のヒータ電圧調整用の抵抗はかなり熱くなるので、この電源についていた放熱板に固定し、これまた付属のファンで強制冷却しています。正面パネル上でターミナルなどを取り外し、使っていない穴は、100円ショップで見つけた、青いおはじき?を裏側から接着材で固定し、目隠ししてあります。しかし見れば見るほど大きな電源部です。これだけやってもタンゴのMS-UVD1個に満たないのですから複雑な心境です。
(2) 増幅部
シャーシデザインは前回のものが気に入っていたので、その基本構成を同じにして作るつもりでしたが、適当な板が手持ちになかったことと、スペース的に私の部屋に置くのがきついと言うことで大幅に方針変更しました。@ 電源部と底面積が同じであること A将来拡張できること B もちろんお金のかからないことです。幸い近所の工務店の店先に「ご自由にお持ちください」と床材の端材があるのを見つけ、もらってきました。無垢材の集成材で、けっこういいもんらしいです。これを連結したものをトッププレートとボトムプレートに使用し、上下は10mmのボルトを四隅に配して結合しています。ステンレスのボルトは高いのでユニクロボルトです。側面には前回と同じアルミアングルを再利用しています。真空管のソケット部にはおなじみ100円ショップで購入した「流しのごみ受け」を利用しています。今回は今後の改造を考えて、初段のソケットスペースを設けてあります。出力トランス部はGTソケットで着脱可能になっています。
今や邪道アンプに必須アイテムとなったライトアップは前回と同じ青色LEDとアクリルチューブのコンビです。今回さらにアホをやりました。拡張用に作った初段用スペースがなんとなくさびしいので、ここにも下面から青色LEDを仕込みました。ここにLEDの光で見映えのしそうなものを乗せると、さらにムード満点!シャーシ背面に独立でスイッチを設け「ロマンチックモード」と呼ぶことにしました。写真で怪しげに光っているものは100円ショップで見つけたアクリル製調味料入れにビー球をのせたものです。
出力は、ほぼ計算どおりの値が計測できました。周波数特性は前回とほとんど変わっていないようです。例によって気になるアクリルチューブの温度ですが48℃
〜49℃で落ち着きました。
来年になると思いますが、電圧はここまでで、次は電流を増加させて・・・
真空管アンプは高圧電流を扱います。感電、火災等の危険が考えられます。。 読者がここに記載された情報を実際に運用した際に発生した事故、傷害、損害等 をに関して、 著者は一切の責任を負いません。 読者の自己責任で利用してください。 適切な対策を講じて、事故のないよう十分配慮して下さい
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