PART VI   実用?珍案

     −貧乏人のための邪道ユニバーサル風出力トランス

  アンプを作るには金がかかります。お小遣いの少ないお父さんにとってはアンププロジェクトでの最大の難関です。そこで「部品を共用する」というアイデアが出てきます。真の目的はいろいろでしょうが共通電源やユニバーサルアンプは費用を浮かせるのに向いているでしょう。ここでは出力トランスが簡単に使いまわしできないかを考えました。使っているトランスはおなじみ東栄T850ですので「何だ、たかが知れてんじゃねえか」と思われる方がほとんどでしょう。そういう方にはこのページは向いていません。少しでも費用を浮かせたいと切実に考えている人向きです。(そんなのおれだけ?)ただし、また相変わらず邪道なことをやっているのでこの方法は問題が多いかもしれません。


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 Kha-Tar2号(6CA7STC)およびKha-Tar5号(211SE)にはT850を片チャンネル2個、計4個づつ使っています。現在両方とも改装中ですが、どちらももう少しトランスに余裕を持たせたいと思っていました。OPT−10Sでも買えれば良いのですがもちろん財政難です。もう2個づつT850を買い足して3個重ねにするか・・・これも3400円かかってしかもT850だらけになってしまいます。そこで思いついたのが今ある分を共通で使えたら・・・使うときに真空管のように扱えたら・・・というものでした。で、T850 3個をケースに収め、GTソケットで抜き差しすることにしました。ケースは100円ショップで見つけたステンレス製のふたつきのマグカップです。直径90mm、高さも90mmぐらいです。

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このカップを上下逆さまに使います。まず「底」になる「ふた」のつまみをとりはずし、かなづちでたたきながら平らにしていきます。けっこうでこぼこしますが、見えなくなるのでOK。カバーの方は取っ手をはずします。安いせい?か取っ手は左右にひねっているうちにたやすく取れます。

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この中にT850を3個収めるのには苦労しました。あれこれ考えた結果、2mm厚のアルミ板でふたの径より小さめに作った円盤上に組み体操のように、下に2個その上に1個を積み重ねました。その際、下のトランスは端子が下になるようにコア部分をフレームからはずしてひっくり返しました。結線は1次側も2次側もパラ接続です。1次側はスイッチで直列接続にもできるようにしたかったのですが、少ないスイッチでどう切り替えればよいか頭が回りませんでした。まあ1次3、5、7KΩ、2次4、8Ωあればとりあえず良いでしょう。外周にはカバーとの絶縁のため、ペットボトルを切ったものをかぶせてあります。




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 残念ながら今のところ211SEは改装中なのでつかえません。とりあえず6CA7STCにつないで見ました。こちらも計画中の全段邪道アンプと電源共通化を図るため改装予定です。電源トランスをはずしてその跡地にこの出力トランスを並べる予定です。幸いにも、今のところ何もうなりをあげるとか、ハムが出るとかのおかしな現象は起きていません。さて、これで次回から出力トランス代5100円が浮くぞ!!!

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ご注意!

真空管アンプは高圧電流を扱います。感電、火災等の危険が考えられます。。
読者がここに記載された情報を実際に運用した際に発生した事故、傷害、損害等
をに関して、 著者は一切の責任を負いません。 読者の自己責任で利用してください。
適切な対策を講じて、事故のないよう十分配慮して下さい 

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