PART VII   初挑戦! 全段邪道PPへの道 chapter1 電源編

     −電源共通化でコスト削減とパワーアップ!

  ぺるけ師匠から「全段邪道PP」というネーミングをいただいた昨年11月以来、このプロジェクトは遅々として進みませんでした。その理由はなんと言っても財政難。 全段作動は球の数も多いし、トランス類の値段もシングルアンプに比べて高めです。今年のアンプのプロジェクトはどれも「あるもので作る」とか「改装版」とかがメインで、残りの予算をすべてこのプロジェクトにつぎ込んできたのですが、出力トランスは誕生日プレゼントで手に入れたものの、(と言っても東栄OPT-10Pですが・・・)電源トランスは本命(ノグチPMC283クラス)には手が届きませんでした。


 どうしようかと悩んでいるうちに、目の前のKar-TarII(6CA7超3)に気づきました。「手作りの会」の宇多さんオリジナル回路では片chに80mA、計160mA以上必要なのですが、製作当時も財政難で(結局いつもですが)、電源トランスにはせいぜい140mAしか望めない春日のKmB240を使っていたのです。ここで、KmB240をもう1個買って、チャンネル独立にしてやれば、6CA7超3には余裕の運転になるし、ちょうどプレート電圧も計画中の「全段邪道PP」用に近いということがわかり、これならば費用も5000円強ですむということでまさに一石二鳥、直ちに別電源プランを採用しました。

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 − 回路

「6CA7超3」のほうはヒータ用とB電源用だけでOKなのですが、「全段作動PP」にはマイナスのC電源も必要です。また、KmB240だけでは350VのB電源には10〜20Vほど不足しそうです。ちょうど手持ちのジャンクトランスで25V2.5Ax2、8V0.2Ax2、33V0.1Ax2というものがあったのでこの25Vでかさ上げし、8VでC電源を作ることにしました。いつものようにダイオード整流であとは物量作戦のπ型フィルタです。ただし、今回は聖典「情熱の真空管アンプ」をしっかり読んで、いつもよりまじめにリップルフィルタ等の計算をしました。回路図は次のとおりです。

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 − 製作

いつも通り「ありあわせを使って」型製作法です。今回ちょっといいものが手に入りました。正真正銘の「つるぴか」ステンレスシャーシです。と言ってもオーディオ用ではなく産業用コントローラの筐体です。縦長なのでトランス2個は底面に仰向けで置き、ジャンクトランスはその上に側面から張り出すように取つけています。残りのスペースに10個の電解コンデンサを収めた基板とC電源用基板、さらにファン用電源基板、放電用リレー等を詰め込んであります。「つるぴか」はうれしいのですがステンレスのためにドリルだけでは穴あけ加工が難しく、3mmか4.5mmの穴しか開けられません。そこで、できるだけ既存の穴を活用するようにデザインを考えました。その結果、本来正面になる方を背面に持っていき、給電部のソケットや、電源スイッチ、ヒューズホルダーなどを取り付けました。




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 さて、いつものように光物の番です。せっかくの「つるぴか」シャーシなので、ありきたりのLEDのパイロットランプでなく、「邪道」らしい物を考えました。目にとまったのはKha-TarII(6CA7超3)で登場したしょうゆ注しの残った部分です。これをリング状に輪切りにした後、C型に切り落とし、その両端から青色LEDで照らして見ました。スリット越しに見える光は、なかなかのものと満足しています。

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 − Kha-TarII 改装工事


 電源トランス、出力トランス、電解コンデンサ群を取り除いたKha-TarIIは当然穴だらけなのでその上をアルミ板で覆い、再加工しました。トランスはもちろんPART VIで紹介した、「着脱可能トリプルお重ねT-850」です。電源スイッチとパイロットランプの穴はそれぞれ、6mmのボルトナットと使えないLEDパイロットランプで目隠しをしました。トランスもでかくなり、マッチョなKha-TarIIに変身です。

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 − 今後の予定


 現在半導体の選別準備中、chapter2 アンプ編乞うご期待




ご注意!

真空管アンプは高圧電流を扱います。感電、火災等の危険が考えられます。。
読者がここに記載された情報を実際に運用した際に発生した事故、傷害、損害等
をに関して、 著者は一切の責任を負いません。 読者の自己責任で利用してください。
適切な対策を講じて、事故のないよう十分配慮して下さい 

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