「手作りの会」の上野さんが開発したCD-ROMドライブコントローラを使ってCDプレーヤを作りました。CD−ROMドライブはハードOFFで購入した松下寿製1997年物、210円です。エジェクト音はうるさいですが、回転中は低速なため、非常に静かです。シャーシは会社の同僚からもらったケンウッドのMDプレーヤDM-89。10年前に10万円近くした高級品ですが、調子が悪くなってしまったそうです。もらった当初は、修理して使うつもりでしたが、修理見積もりが予想をはるかに越えて高額だったため、第2の人生を送ってもらうことにしました。
CD-ROMドライブとコントローラの相性はバラックテストで確認済みなので、製作はこれらを体裁よく詰め込むことがメインです。CD-ROMドライブはMDのメカよりも一回り大きいので、トレイの出入り口の横幅が足りません。また正面下部にはディスプレイおよび表示用基板があり、これがCD-ROMドライブの前方への進出を阻んでいます。そこで、トレイ出入り口を広げ、ディスプレイおよび表示用基板の邪魔なところを切り取りました。MDプレーヤにとってはかなり痛い手術となりました。表示用基板はPLAY、EJECT等の動作ボタンも装備しているのでこの部分の機能を残して切り取ります。さらに表示窓部にはCD-ROMドライブ用の液晶ディスプレイを設けるために窓も必要部分を残して切り取りました。基板およびシャーシ樹脂部の切り取りにはスピーカ製作で使った100円ショップの回し引きを使いました。
電源、ドライブ本体、コントローラ、表示パネルを収めておのおのを配線すれば一応完成ですが、それでは残りの基板がもったいないのでDAC部分の再利用を考えました。幸いDAC部分は本体基板とは別の小さな基板になっており、さらに基板上に各回路ごとにDAC、LPF、HEADPHONE AMP・・・と表示されているので見当がつけやすそうです。虫眼鏡片手に回路を追っていった結果、DACにはバーブラウンのPCM69が、デジタルフィルタにNPCのSM5840が使われていることがわかりました。
ただ、DAIの部分がどうにもわからなかったので「手作りの会」のDAC分科会掲示板でお尋ねしたところ、DAIは本体基板内のICが他の機能と兼任しており、再利用は私の能力ではむずかしいことがわかりました。さらに、アドバイスをいただいた会の松田さんからDAI用のIC、バーブラウンのDIR1703をご好意でいただけることになりました。これで一応出来ると思っていたのですが、会の上野さんにも相談したところ、DIR1703とSM5840の組み合わせはタイミングの取り方にかなり工夫がいるようで、これはまたまた私の能力を超えていることがわかり、簡単に出来るDIR1703−PCM69直結とすることにしました。これにより、期せずして、はやりのノン・オーバーサンプリングDACとなりました。DAI部は松田さんから基板ごといただいたのでモードをIISから16ビットモードに変えるだけで使えるようになりました。DACのほうはデジタルフィルタから切り離し、設定を18ビットパラレルモードから16ビットシリアルモードに変える必要があります。どちらのチップもSOPなので老眼にはつらく、虫眼鏡、カッターナイフ、ピンセットでの大手術です。次にDAI、DAC、DAI用3.3V電源基板でバラックを組んでテストしました。メールで松田さんにアドバイスをいただきながら、ようやく音が出るところまでこぎつけました。
最後にこれら3枚の基板をシャーシ内に収めるわけですが、もともとDAC基板に使われていたブラケットを改造し、さらに基板に固定されていたRCAピンジャックを基板からはずすことにより、何とかもとの位置に収めることが出来ました。DAI基板はDAC基板の下に2段重ねの形で収めています。ヘッドホンアンプ部の再利用も出来、生まれ変わりには満足しています。
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