PART II
廃物利用でかっこいい?自己満足アンプを作る???
つるつるのピカピカが大好きである。
誰がなんと言ってもつるつるのピカピカである。
だってつるつるのピカピカはとてもかっこいいから・・・。
つるつるのぴかぴかは私のあこがれである・・・。
しかし、つるつるのピカピカは私の手にはなかなか届かない・・・。
はぁ〜あ、ステンレスシャーシでかっこいいアンプが作りたい・・・・
しかしオーディオ専科や鈴蘭堂のシャーシは高いからなあ・・・
時は正月、例年のように鍋に入れるもちを電熱器で焼きながらそんなことを考えておった。
きれいに焦げ目がつくように網の上のもちを箸でひっくり返しながらふとその電熱器をよく見ると・・・
なんとまぎれもないつるつるのピカピカではないか!その瞬間私は神の啓示を受けた。
「つるピカはおまえの身の回りにある」と・・・
確かに、見れば見るほど美しい!「私でアンプを作って!」と言っているようだ。
メーカ名はといえば、「SURE」とある。おおっ!SUREといえばあの名器V15typeIIIを生み出した
カートリッジメーカではないか!なんと由緒正しき電熱器だ!舶来品だぜ!
あれ?でも裏には石崎電機製作所になってるぞ?そうかバブルの時代に買収されたのかな?
ん?つづりは「SHURE」のはずだったが・・・・・ま、いっか。
だがこれをアンプに使ってしまうと来年からもち
が焼けなくなる。それより何よりまだ使えるのに
そんなもったいないことできるわけないじゃん。
しかしまてよ、これはかみさんと結婚した年に
買ったからもう9年目になってる。一年に数回
もちを焼くためだけにしか使われないから
このぶんじゃあ、あと20年はもつだろう。
しかし神様は今作れとおっしゃっている・・・・
となると・・・・ひろってくるか。
それからというもの、自転車通勤途中に粗大ゴミが
みょ−に気になる。でも捨ててあるのはストーブと
ガスレンジばっかり。確かにストーブは反射面が
つるピカだ。しかしこれに似合いそうなのは845
が6CA7ぐらいに見えるSTCの何とかぐらいだろう。
ガスレンジもステンレスの台があるけどこの広大な
敷地を埋められるのは佐久間式の211アンプぐらい
かな・・・
いかん!このままでは「プロジェクトPK」がちっ
ともすすまない。ここは通園路だからこうやって探しているうちにきっと娘の友達のお母さんに見られてしまう
ぞ!。「○○ちゃんのお父さん、この間すごい形相でごみ捨て場を見ていたわよ」なんて・・・
なっなんとかせねば・・・
苦しいときの何とやら。こんなときは聖地を巡礼するに限る。聖地とはもちろん我が大先輩ぺるけ師匠の
ホームページ「情熱の真空管」のことである。さてと、「ゴミのあさり方について」はと、・・・
ん?どこにもないぞ!(あるわけない)・・が、次の瞬間、画面上のひとつの単語が目に飛び込んできた。
「バーチャル」「Virtual」(仮想の)「バーチャル・アンプ」?仮想のアンプか・・・。
それは、「Building My Very First Tube Amp」で紹介されているBin氏のホームページのタイトルだった。
Virtualならば電熱器を探す手間が省ける上に先立つものも不要だ!そこで氏のホームページを見てみると、
おおっ!なんという立体感だ!!私は成功を確信した。しかしEXCELで???早速自分でもやってみる。どうやら
塗りつぶしにグラデーションを多用しているようだ。セルを10mmx10mmの方眼紙に見立てて、その上に長方形を
描く。塗りつぶしに黒のグラデーションを選ぶ。するとどうだ、立派な電解コンデンサではないか。これはいける。
が、まだなんか物足りない。これだけではただのまねっこで終わってしまう。そこで思いついたのが、実写真
を導入したコラージュ。名づけて「球コラージュ」(略すと・・ん?)
今回の製作方針は以下のとおり
@ 電熱器への部品の取り付け:つるピカ部はなるべく加工しない。3か4mmの穴程度にする。ヒータ部を取り除き、
アルミの板をケース裏側から取り付けベースプレートとする。
A 回路はちょうどKha-Tar1号の電源トランスおよび6BM8があまっているので超3アンプをを再度製作。ただし、
i) スペース確保のため初段は2SK30A仕様とする
ii) ヒータトランスのスペースがないので球は50BM8とする。
iii) 出力トランスは小出力で使用することを条件に片chにつきT−850を1個とする
まずは上部部品配置。いちばんかさばる電源トランスはシャーシ内に入らないので例の100円カバーをつけて中央
に配置。平滑回路用コンデンサは330μ400V3個使用分のうち2個を上部に配置、他の1個はシャーシ内に配置する。
50BM8はKha-Tar2号で成功したしょうゆ注し型ライトアップを採用する。ランプはネオンランプ。(青はあるかな)
この方針にそって、さあ、いよいよ「球コラージュ」開始だ!
電熱器の上に使う部品を並べてはい!チーズ。できた画像をフォトショップで加工する。コンデンサを忘れたので
EXCELで描いて貼り付ける。そうすれば、ほらこのとおり。ヒータを点灯させてライトアップも本物そっくり。
(デジカメ持ってないから実はこれけっこう苦労してるんよ。)
次はシャーシ内部部品配置。今回どうしてもこだわりたいのは、もともとついている電熱器のヒータ切り替え
スイッチ(OFF-300W内−600W内外−300W外)をそのまま使い、かつボリュームも兼用とすることである。SW付き
2連ボリュームを使えばすむが、入力信号を電源から離したいので少し工夫を要する。つまみを90°回すとSWが
入り、残りの角度でボリュームを回さなければならない。当初はボリュームをSWと同軸上に配置して駆動機構を
考えていたがいい案が浮かばす、最終的に軸を平行に配置し、間欠ギア駆動することとした。
これらを元にEXCELで図を書いてみる。まず正面図、そして立面図。50BM8のディテールはなかなかむずかしい。
(6BM8にしちゃった)いよいよ内部配線だ。virtualだからはんだ付けも失敗無し。部品を押さえるための3本目
の手も不要。いらいらすることまったく無し。約2時間で配線作業終了。配線チェックをしてSWオン!各部の調整
をして出来上がり!100Vを引き回しているので心配だったハムもスピーカに耳をくっつけてもわかりません。
Bachの「無伴奏チェロ・・」を聞いてみる。うーんこのねっとりとした低音がいいねえ。 了(やれやれ・・・)
Kha-Tar3号(でんねつくん)
そして Kha−Tar4号へ
啓示を受けてからというもの身の回りに気になるものがもうひとつあった。それはこれ。オーブントースター
残念ながらうちのやつはクリーム色の塗装が施されているが、ヤマダ電機には同じ三菱製でBO-L15というやつ
があり、同じ形でつるピカ仕様であることがわかった。早速Kha-Tar4号の製作にとりかかる。なんせ部品代
タダだもんね!今度は2号と同じ6CA7超3だ。今回は贅沢に6CA7は松下製、出力トランスだってタンゴのXE-20S
だ。電源トランスはパワーアップでDC250mAだぜ!Virtualで終るむなしさを少し感じつつ、やけ気味で作った
のがこれ。もう配線する気力はなくここで尽き果てる。 (とっぴんぱらりのぷう)
Kha-Tar4号(トーストくん)
−おまけ 今後の予定
いよいよ次回は本道回帰を目指して自分で回路設計する予定です。(実は出力管は昨年のうちに手に入れてある。)
進んでいない理由はもちろん「球はあれども金はなし!」(逆さに読まないでね)
真空管アンプは高圧電流を扱います。感電、火災等の危険が考えられます。。
読者がここに記載された情報を実際に運用した際に発生した事故、傷害、損害等
をに関して、 著者は一切の責任を負いません。 読者の自己責任で利用してください。
適切な対策を講じて、事故のないよう十分配慮して下さい
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